早期バイリンガル教育による発達への影響

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現代は、グローバル社会と言われ、母国語以外の第二、第三言語を自在に操る人が増えてきています。たとえ、ビジネスとして外国語を使わなくても、海外旅行へ行ったときに、「現地の人と会話ができたらいいな」と考える人は多いのではないでしょうか。

実際、大人になってから外国語を習得しようと思うと、大変苦労をします。そのため、「自分の子どもには、このような思いをさせたくない」と考えて、早期から二カ国語以上を習得する「バイリンガル教育」に注目が集まっています

このため、さまざまな国の子どもたちが通うインターナショナルスクールは、富裕層からの人気が絶大です。それだけ、子どもの言語教育に注目が集まっているのです。

例えば、アジア諸国では母国語以外に、英語がマスターできることが、グローバル社会で生き残るための最低条件だと考えられています。これにより、アジア諸国では「あかちゃんからの英語教室」が存在しており、小さいころからの英語教育は、とても人気があります。

一方、欧米諸国では、母国語が英語だったとしても、フランス語や中国語、スペイン語など第二言語を持っていたり、勉強していたりする人が大勢います。

したがって、「母国語だけでは国際社会で役立たない」と感じている人が増えてきているのです。

しかし、良い面ばかりが取り上げられがちな早期のバイリンガル教育ですが、子どもの発達にとって必ずしも良いとは限りません

そこで、「早期バイリンガル教育による子どもの発達への影響」について解説していきます。

⚫︎年齢が低いほど母国語で育てることが大切

バイリンガルの早期教育を勧める人の多くは、「小さいときから外国語に触れることで、発音が滑らかになったり、言葉を聞き取ったりすることができるようになる」と言います。

その考えは、確かに一理あります。なぜなら、英語が母国語ではない人は「R」と「L」の発音を聞き取れなかったり、上手く発音できなかったりして苦労する例があるからです。

これは、「早く外国語に触れなかった場合」の例としてよくあげられるものです。また、何ヶ国語も堪能に話すイメージのある帰国子女が、「就職に有利」としてもてはやされたこともありました。

しかし、帰国子女の中で、いくつもの言葉を自在に使いこなす人は、意外と多くはありません。つまり、私たちは、帰国子女やバイリンガル教育による「良い例」のみを見ているということです。

実際は、二カ国語以上の言葉を使うことは、言葉の理解だけでなく、知的発達をも遅らせてしまう可能性があります。

なぜなら、ふたつ以上の言葉を互換するということは、とても高度な技術だからです。したがって、これから言葉を覚えていく乳幼児の場合、異なる言語を使用することは、言葉と意味を結びつけるときに混乱してしまうということです。

例えば、母国語がひとつしかない国の場合、子どもが言葉を話し始めるのは大体1歳すぎたあたりです。一方、母国語がふたつあるフィリピン(タガログ語・英語)などの場合、平均2歳くらいで、意味のある言葉を話し始めるといいます。

このような例から考えると、言葉を話し出す1年の差は、子どもがふたつの言葉を互換するのに時間がかかっているということです。

そのため、ある研究では、子どもが小学校低学年と高校生が海外で生活した場合、どちらが言葉に順応するかを比較しました。その結果、「母国語が完全に確立している高校生の方が、外国語を取得するには適している」ということがわかったのです。

ここでのポイントは、「母国語が完全に確立している」という点です。なぜなら、言葉には「会話力」と「学習言語力」のふたつの力があるからです。

このふたつの力は、言葉は似ているようですが、意味が異なります。

会話力」はその名の通り、会話ができる力です。つまり、相手と自分の要求や思いを言葉でやりとりすることができれば良いということです。しかし、普通に外国人と会話ができてしまうことで、「この子は外国語が話せる」と思い込んでしまう落とし穴になってしまいます。

一方、「学習言語力」は、学習をする際、理解しなくてはならない言葉の力です。これは、先述の会話力とは異なります。会話力よりも高度であり、就学経験のない子どもの場合、バイリンガルで学習言語力が伸びるには7~11年かかるとも言われています。

これは、母国語のみで学習を行った場合と比較しての結果です。したがって、会話力だけでなく、学習言語力を伸ばすためには、言葉をひとつに統一する方が、子どもの知的発達には好ましいと言えるでしょう。

⚫︎子どもが海外で生活する場合の支援

外国の子どもが、言語の違う他国で生活する場合は、早期バイリンガルと同じ状況に陥ることが多々あります。つまり、乳幼児期で母国語が安定していない場合、言葉の発育が著しく遅れることがあるということです。

例えば、子どもが乳児の頃から託児所や保育園に行く場合、外では外国語で自宅では母国語になります。そうなると、子どもは混乱し、どちらの言語も発達は遅くなります。

そのため、「どうやって言葉を教えれば良いのか」という悩む保護者は多いものです。また、就学時期には、「学習言語力」も試されます。ただ話せれば良いというわけではありません。

このような場合、療育センターなどの専門機関に相談すると、「どちらかの言葉に統一する方が好ましい(できれば、ずっと生活する国の言葉)」というアドバイスをもらいます。しかし、外国で暮らしてきた保護者が、突然他言語に統一することは難しいことです。

この場合、子どもが海外で生活するときには、専門機関にかかり、定期的に言語の検査を受けながら、アドバイスをもらうことが大切です。

なぜなら、言語の検査を受けることで、どの程度言葉の力が伸びているかがわかります。子どもが、母国語の学校に通うならば問題ありませんが、他言語で教えている地元の公立校に通う場合は、学習面で遅れが出ることが心配です。

このように、子どもにとって言葉とは、会話をするだけのものではないということです。

なぜなら、言葉には、会話以外にも「学習言語力」という能力が必要とされるからです。先述に実験でも、原理原則を理解している高校生の方が、小学生よりも他言語の習得に適しているということが明らかになりました。

もし、基本の原理・原則を理解していれば、言語が変わった場合であっても、言語変換をすれば物事を判断をすることができます。

一方、基本を理解していなければ、言葉を覚えながら学習をしていくため、子どもはふたつのことを同時に行わなくてはいけません。それは、大人が考える以上に、大変なことなのです。

もちろん、子どもの個性や特性により、すぐにバイリンガルの環境に順応することもあります。

しかし、大人が「早期バイリンガル教育は良い面だけではない」ということを知ることが大切です。そうすることで、子どもの持っている学習能力を無理なく伸ばす方法を選択できるかもしれません。

つまり、子どもの将来を鑑みることも大切ですが、「今の子どもが生き生きと生活しているか」ということが、子どもにとっては一番重要なことになるのです。

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