都市部で広がるステーション保育室が抱える問題

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東京都や神奈川県など、待機児童が多い地域では兄弟姉妹が別々の保育園に通うことが珍しくありません。しかし、働く保護者は「入園ができただけでも良かった」と胸をなでおろします。

しかし、兄弟姉妹が別々の保育園に通うということは、それだけ送迎の負担が大きくなります。

また、朝はどこの家庭も忙しいものです。それに加えて、複数の保育園へ子どもを送らなければならない場合はさらに慌ただしくなります。そうなると、親子で会話や朝食を楽しむ余裕はありません。

そのため、複数の保育園に通う家庭を支援するために、都市部では「ステーション保育」の取り組みが始まり、広がりを見せています。

ステーション保育とは、駅の中に一旦子どもを預かる保育室を設営し、保護者はその駅に子どもを送迎します。子どもたちはある程度の時間までステーション保育室で過ごし、その後バスに乗りそれぞれの保育園に向かいます。

これは、保護者にとっては、送迎の手間を省くことができ、さらに子どもをステーション保育室へ預ければすぐに電車で仕事に向かうことができるため、多忙な保護者からは注目されれています。

ですが、このステーション保育はまだ始まって間もないため、ステーション保育室受の職員体制が整わないなど、問題が出てくることが考えられます。

そこで、今回は「都市部で広がるステーション保育室が抱える問題」について解説していきます。

⚫︎保育園と保護者の関係が希薄になる可能性が高い

ステーション保育を利用する場合、保護者は子どもをまずステーション保育室へ連れて行きます。帰りも同様で、ステーション保育室に迎えに行きます。

しかし、そのステーション保育室を運営するのは、自治体から委託された社会福祉法人であり、子どもが通う保育園の職員はいません

したがって、保育園とのやりとりは連絡帳やお便りが中心となります。そうなると、保育園でどうやって過ごしていたのかが分かりにくいという点が、保護者から不安としてあげられます。

例えば、子どもに傷があったときに、遊んでいるときに無意識のうちについた傷なのか、友達と喧嘩をしてできた傷なのかが分からないことがあります。

このときに、子どもが通う保育園へ送迎していれば職員にすぐに確認することができます。しかし、ステーション保育室は運営が別の法人であるため、聞きたいことがあるならばその保育園に電話をするか、連絡帳を通して尋ねるしかありません

しかし、日本人によくみられる思考パターンには「怪我をしたときや聞きたいことがあるときにだけ電話をしたり、連絡帳を書くなんて面倒な親だと思われたらどうしよう」というものがあります。

これにより、子どもを預けているのにも関わらず、保護者と保育園職員の関係ができないという事態が起こります。言い換えると、お互いが「相手に言いにくい」という状態になるのです。

また、ステーション保育室を利用することで、入園してから一度も子どもが通う保育園に行く機会がなく、運動会などの行事で「うちの子担任の先生ってどの人だった?」と尋ねる保護者もいます。

確かに、ステーション保育室は便利です。しかし、送迎場所が違うということは、預ける側と預かる側の信頼関係が築きにくいという問題点があるのです。

なぜなら、室の高い保育とは子どもだけでなく、保護者と職員の信頼関係によってはじめて成り立つものだからです。

⚫︎子どもの負担が大きい

子どもは大人と比べると、環境への順応性が高いと言われています。また、人懐っこい子は「朝と夕方は違う保育園に行けるから楽しみ」という子もいます。

ですが、1日の中で「自宅→ステーション保育室→保育園→ステーション保育室→自宅」と何度も環境が変化するのは、子どもへの負担が大きくなります

特に、夕方は大人でも疲れが出てきます。体が小さい子どもにとっては、なおさらです。それでも、ステーション保育室と契約している子どもは、保護者が迎えに来る時間にはそこへ戻らなくてはいけません。

このとき、保育園から直行でバスが出ているわけではないため、子どもたちはステーション保育室と契約している他の保育園に通う子どもたちと乗り合いバスで移動します。

バスの運行は、子どもたちの体力を配慮はしていますが、少人数で運行していては経費がかかってしまうため、いくつかの保育園を巡回します。

これについて、「幼稚園の送迎と同じ」と考える人もいますが、幼稚園の送迎先は保護者です。したがって、幼稚園の通常送迎のように保護者のところへ帰るのと、別の環境で再び保育されるのとでは子どもの安心感には大きな差がつくのです。

もちろん、ステーション保育室で働く職員は、子どもたちのために最善の努力を惜しみません。夕刻の疲れが出てきてぐずったり、「パパはまだ? ママは?」と不安になったりする子どもたちを温かく迎え、そして送り出しています。

しかし、このステーション保育室の取り組みはまだ始まったばかりなので、どの程度人員が必要であるのかなど、運営は手探り状態です。そのため、「受け入れをする職員が少ないのでは?」という保護者から心配する声もあがっています。

このように、ステーション保育室は多忙な保護者から注目されてはいますが、新しい事業のため、まだ法整備などが整っておらず問題も多くあります。

しかし、根本的には保育園の数自体が少ないことと、待機児童の多さが問題です。そのため、ステーション保育室を整備するだけでなく、根底にある待機児童の問題や子育て支援について、目を向ける必要があるのです。

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