虐待を受けた子どもの発達の弊害

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かつて、子どもとは、子孫を反映させるためには重要な「宝物」という考え方がありました。現代でも、この考え方だけに限らず、子どもはかけがえのない宝物に違いありません。。しかし、どれだけ文明が進歩し、時代が変わったとしても、「児童虐待」はなくなりません。

しかも、児童虐待の相談や通報など、児童相談所は多くのケースを抱え、その相談件数は年々増加していっています。

なぜなら、「児童虐待」という言葉とその定義が浸透したことで、「もしかしたら、あのよく聞こえる子どもの泣き声は虐待かもしれない」と考える人が増えたからです。これにより、近隣住民から児童相談所への通報が一般的になったと言えるでしょう。

しかし、児童相談所への通報が増えるということは、「どれが緊急を要するケースであるか」ということの見極めが難しくなることにもつながります。その結果、重要ケースの見極めで時間がかかってしまうことで、支援が間に合わず、虐待で命を落としてしまう子どもがいるのです。

一方、命は助かったとしても、虐待を受けた子どもの発達への影響は深刻なものです。なぜなら、脳の機能障害などがなく正常に生まれた子どもであっても、虐待を受けることで脳が萎縮してしまうからです。

これにより、子どもの将来は、大きく左右されることになります。その上、一度虐待を受けた子どものケアは、専門家であっても大変難しいものです。

そこで、「虐待を受けた子どもの発達の弊害」について解説していきます。

⚫︎脳の萎縮の問題

先述でもあげたように、幼少時から虐待を受けた人の多くは、そうでない人と比べると脳に萎縮がみられることが分かっています。

実際に、虐待を受けて育てられた人と、虐待を受けずに育ってきた人では、多い場合で15パーセント程度、脳の大きさに違いがみられます。

では、なぜ脳は萎縮するのでしょうか。その原因については、解明されていませんが、次のように考える研究者がいます。

それは、虐待をストレスだと感じた脳が、副腎皮質ステロイド(ストレスホルモン)を分泌し、成長している子どもの脳の発達を一時的に止めてしまうというものです。

なぜなら、虐待を行う大人は、保護者や親戚など、子どもが信頼する相手であることがほとんどだからです。そのため、子どもは「虐待されていることを受け入れたくない」、「(自分への暴言を)聞きたくない」と本能的に感じるのでしょう。

これにより、「脳が防衛反応のために、感覚的な情報を遮断しようとする働きが、結果的に脳を萎縮させている」と考えられているのです。

しかし、脳が萎縮することで、子どもの学力などにも大きく影響を及ぼします。例えば、脳が萎縮した部分によっては、空間認識が苦手であったり、言葉の理解が難しくなったりする場合があるのです。

これによって、小さい頃から虐待を受けた子どもにとっては、「自分は何をやっても上手くいかないのだ」という自信を失うことにもなりかねません。したがって、虐待は、子どもの人生すべてを破壊してしまうことにつながるのです。

⚫︎ 反応性愛着障害の問題

反応性愛着障害」とは、乳幼児期に虐待を受けた子どもたちが、愛着を正常に向けられないため引き起こされる行動障害です。

この反応性愛着障害には、二つのパターンがあります。

ひとつは、「抑制型」です。抑制型の特徴的な行動は、「目をそらしながら近づいてくる」、「子ども自身は人との関わりを求めているけれど、周りを怒らせるようなことばかりする」というものです。

つまり、保護者であっても警戒心を拭うことができないため、子どもが抱いている思いと矛盾した行動をとってしまいます。

ふたつ目は、「脱抑制型」です。これは、初めて会う人にもベタベタ甘え、ときには馴れ馴れしく感じられるほどです。脱抑制型の子どもの場合は、自分と相手のパーソナル・スペースが理解できず、過度な社交性をみせることがあります。

どちらのパターンであっても、子どもが人生を歩んでいく上では、改善した方が良い行動です。そして、反応性愛着障害は、改善することができる行動障害です。

なぜなら、発達障害とは違い、反応性愛着障害には、先天的な脳の障害ではないからです。つまり、環境がもたらした後天的なものであることがわかっています。

したがって、もともと発達障害がなく、反応性愛着障害のみの子どもの場合、正しい養育環境で愛着関係を育てられれば、その症状は減少・消失する可能性が高いということです。

実際に、虐待されて保護された子どもが、愛情を注いでくれる養父母に育てられて、愛着形成を行ったことで、行動障害がなくなったという例はいくつもあります。

これらのことから、子どもにとって、愛着関係を作ることこそが、乳幼児期にとっては大きな課題だということが分かります。

しかし、現代の先進国では、核家族(「両親と子ども」など一世帯のみで生活する家族)が多くなってきています。

そのため、子どもが保護者と関係が悪くなってしまうと、子どもの味方になってくれる人はいません。これにより、子どもが「自分の味方が家庭で見つけられなくなる」という事態が起こるのです。

そこで、虐待を受けた子どもに対して、地域の大人や学校などのような、第三者的な視点から子どもと関わる機関の支援が必要となります。つまり、子どもが「大人の中にも、自分の味方になってくれたり、自分を理解しようとしたりしてくれる人がいる」ということが感じられるように関わるということです。

もちろん、虐待を受け、反応性愛着障害を持つ子どもと信頼関係を作るには、時間がかかります。その上、子どもを受けとめるには、愛情だけではなく、労力を必要とします。つまり、それほどまでに、虐待を受けている子どもの心と脳へのダメージは大きいということです。

このように、虐待を受けた子どもには、そうではない子どもの比べると発達に弊害が出てきます。そして、その発達を正常に戻そうとするには、多くの時間と労力が必要です。

しかし、たとえ支援に時間や労力がかかったとしても、虐待を受けて「自分は必要とされていない」と考える子どもにとっては、人生を左右する大切な関わりです。

そして、ひとりでも多くの子どもが支援を受けることで、「人との関わりは良いものだ」と感じられることが最も重要です。なぜなら、「自分は愛されている」と思えることは、その子が人と関わり、社会に適応していくための土台となるからです。

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